ドワンゴ、特許庁による「ゆっくり実況」などの商標出願拒絶を“歓迎”。ゆっくり独占を防ぐ取り組み続く
https://automaton-media.com/articles/newsjp/20230216-237563/
(AUTOMATION 2023年2月16日付記事より)
昨年の2月に「ゆっくり茶番劇」という商標が、「第41類 インターネットを利用して行う映像の提供」などを指定して登録されたのですが、これが、「特定の動画ジャンルを指す単語が第三者によって登録された」ということで大騒ぎになりました。
その後、この「ゆっくり茶番劇」の商標権は放棄されたのですが、さらなるゆっくり関連商標の独占防止を目的として、ドワンゴが「ゆっくり実況」、「ゆっくり解説」、「ゆっくり劇場」の3つの商標を出願し、今般、いずれについても拒絶理由通知書が発せられました。
これを受けてドワンゴは、「そもそも『ゆっくり○○』は動画のジャンルやカテゴリー、動画の内容を示す表示として広く一般的に使用されている」ことを指摘しつつ、「特定の企業や、個人が独占すべき文字列ではない」と考えていることを強調し、それら拒絶理由通知書で示されている内容は、ドワンゴの見解とおおむね一致しているとして、今回の結果を歓迎しました。
しかしながら、このようなドワンゴの発表には、違和感を感じます。
といいますのは、第一に、「ゆっくり○○」という商標であっても、「○○」に入る文字や指定する商品・役務(サービス)によっては、何ら動画のジャンルやカテゴリー、動画の内容を示す表示とは関係のないものもあるわけでして、そのような商標は、登録を受けることができる場合もあってしかりだと思うからです。
また、第二に、もし「ゆっくり○○」という商標が登録されないということになれば、それはむしろドワンゴの事業を守ることを保証することになりかねないという見方もできるわけでして、妥当ではないと思うからです。
例えば、現在出願中の商標「ゆっくり不動産(商願2021-145848)」の場合、通常、「不動産」の語に「ゆっくり」という形容詞は使わないことから、「ゆっくり不動産」の語が造語であることは明らかですし、出願人によって使用されて、それなりに知られているようですので、「ゆっくり実況」、「ゆっくり解説」、「ゆっくり劇場」などとは事案を異にすると思うわけです。
「ゆっくり不動産」の商標登録出願
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2021-145848/EA9345BD0FC4EC3598BD502361D3AE900EDC245D09B76C8B33F2F62582262334/40/ja
「ゆっくり不動産」関連ウェブサイト
https://www.youtube.com/c/%E3%82%86%E3%81%A3%E3%81%8F%E3%82%8A%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3
https://suzuri.jp/yukkuri_fudosan
ドワンゴの思惑に、まんまと乗ってしまっている感が否めないのです。
きらめき国際特許事務所
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