https://jp.reuters.com/economy/industry/GOFIRYSPDZO2VEXQLCURZIUDXQ-2024-05-29/
（Reuters 2024年5月30日付記事より）

メガファーマの米国製薬会社メルクは、眼科治療薬開発の英国アイバイオテックを最大30億ドルで買収することに合意しました。イニシャルフィーとして13億ドル、マイルストーンで17億ドルという内容です。

メルクがこれだけの支払いができるのは、がん免疫療法剤である抗 PD-1 抗体薬「キイトルーダ」の売り上げのおかげです。

しかもこの「キイトルーダ」ですが、小野薬品の抗 PD-1 抗体薬「オブジーボ」の特許を侵害する医薬品でして、高額な損害賠償金を支払っているにもかかわらず、莫大な売り上げを上げているのです。

それは、「キイトルーダ」が「オブジーボ」と適用疾患を異にすることと、例えば、ステージIV非小細胞肺がんの一次治療として免疫チェックポイント阻害薬単剤療法を実施する場合、オプジーボでなくキイトルーダが推奨されているといった事情によるものと考えられます。

ところで、どうして今回のような買収をするかといいますと、先発薬メーカーにとっては、住友ファーマの抗精神病薬「ラツーダ」の特許切れによる売上の激減のようなことが「明日は我が身」ですので、余裕のあるうちに新たな新薬ネタを確保しておこうというわけなのです。

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