「朔北」は紛らわしい? カレーの商標、特許庁退けたメーカーの主張

 

https://www.asahi.com/articles/ASR3Z5WG0R3JUTIL02V.html
(朝日新聞デジタル 2023年4月4日付記事より)

 

札幌市の食品メーカー「株式会社北都」さんが、商標「朔北カレー」について商標登録出願をしたところ、「カルビー株式会社」さんの先行登録商標「サクホク」が引用されて拒絶査定が送達され、これを不服とした「株式会社北都」さんが拒絶査定不服審判を請求したところ、請求不成立審決(拒絶審決)が送達されてしまったため、「株式会社北都」さんが知的財産高等裁判所(知財高裁)へ、この審決を取り消すよう提訴しました。

 

その結果、この審決が取り消され、拒絶査定不服審判へ差し戻されました。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/856/091856_hanrei.pdf

 

そして現在、拒絶査定不服審判において審理終結通知書が発せられたところです。まもなく請求成立審決(登録審決) が送達されるでしょう。

 

本件、話し出すと長くなりますので、端的にお話ししますが、出願商標「朔北カレー」と先行登録商標「サクホク」とは、「朔北」と「サクホク」の称呼(読み)が同一ですので、特許庁審査官が拒絶するのはやむを得ないと思います。

 

しかしながら、商標が類似する、しない(類否)の判断では、称呼(読み)とともに、外観(見た目)と観念(意味合い)が共通しているか否かについても考慮され、需要者や取引者が混同を生じ得るか否かの判断に基づき、類否が判断されるところ、近年の拒絶査定不服審判では、本件のような場合、外観と観念がまったく異なるとして、登録審決が送達される傾向にありました。

 

ですから、この拒絶審決は、私からすれば「災難」としか思えず、また、このような審決が確定すると、我々としては非常にやっかいなわけです。

 

「朔北カレー」が、名寄陸上自衛隊の作るカレーが誕生のきっかけであったことや、代理人の勧めなどもあったのではないかと思われますが、よくぞ「株式会社北都」さんは提訴されたと思います。

 

また、このような事例で裁判まで行った事例がほとんどなく、そういう意味では、我々としては貴重な判決となったのではないかと思います。

 

「株式会社北都」さんのご健闘に敬意を表したいと思います。

 

きらめき国際特許事務所

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