オプジーボ特許訴訟、9月にノーベル賞教授の尋問

 

https://www.sankei.com/article/20210730-VRBWT63CDVPULLRZK5GCXGKOJE/
(産経新聞 2021年7月30日付記事より)

 

「小野薬品工業」は、京都大学の「本庶佑(ほんじょ たすく)」特別教授が発明した「ヒトPD-1抗体」を、「オプジーボ」という商品名で、がん治療薬として販売しています。

 

一方、米国のメガファーマである「メルク」は、「キイトルーダ」という商品名で、同じく「ヒトPD-1抗体」をがん治療薬として販売しています。

 

この「メルク」による「キイトルーダ」の製造販売について、「小野薬品工業」は特許権侵害が認められ、「メルク」が「小野薬品工業」と、「小野薬品工業」が一部販売契約をしている米国メガファーマの「ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)」へ、イニシャルフィー約710億円とランニングロイヤリティーを支払うことで和解をしました。小野薬品工業とBMSの分配率は、小野薬品工業が25%、BMSが75%です。

 

BMSの有する用途特許の影響と思われますが、なんと、小野薬品工業よりもBMSの方が、取り分が多いのです。

 

そして、本庶佑先生への、このイニシャルフィーの支払いについて、小野薬品工業と本庶佑先生とで争われているわけです。

 

小野薬品工業としては、イニシャルフィーのすべてが入ってくるわけではないですから、なかなか厳しいところです。

 

さて、本編から脱線してしまいますが、「メルク」は何故、特許権侵害を犯して、イニシャルフィーやランニングロイヤリティーを支払ってまで、「キイトルーダ」を製造販売するのでしょうか?

 

実は、「キイトルーダ」の方が、本家「オプジーボ」よりも売上高が高いのです。

 

その主な理由として、「キイトルーダ」の方が、本家「オプジーボ」よりも適用範囲が広いことが挙げられます。

 

ですから、「メルク」は特許権侵害を犯してでも、「キイトルーダ」を製造販売するわけです。

 

さらに、スイスメガファーマの「ロシュ」は、「ヒトPD-1抗体」の類薬である「テセントリク」を製造販売しています。

 

これでお分かりになりましたか?

 

「小野薬品工業」は、国内売上ランキングで10位程度という、世界から見れば弱小の製薬企業です。これに対し、「メルク」、「BMS」、「ロシュ」は、世界での売上ランキングで10位以内にいるメガファーマです。

 

メガファーマには太刀打ちできません。これが製薬業界の現実なのです。

 

きらめき国際特許事務所

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